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2012年8月15日 (水)

【西馬音内旅なび⑤】西馬音内盆踊り あれこれ 

西馬音内盆踊り 前日。

不定期連載してまいりました西馬音内旅なびも最終回となりました。

いつも読んでいただいているみなさま、ありがとうございます。

最終回は、西馬音内盆踊り あれこれ。

今回はディープに、盆踊りに参加してきた西馬音内っ子の視点から、ちょっとまじめなお話をしようと思います。


【西馬音内旅なび ばっくなんばー】

盆踊り観覧席について
車で来よう!お宿に泊まろう!
西馬音内盆踊りQ&A① 会場にいこう♪
西馬音内盆踊りQ&A② 盆踊り鑑賞の前に
⑤西馬音内盆踊り あれこれ



Q.西馬音内(にしもない)ってどういう意味?

ここの地名に戸惑われた方も多いと思います。

うごまち にしもない ですからね。

平成の大合併の激動にも呑まれず、
単独での立町を選んだ個性的な町の、さらに個性的な地区です。

よく「にしもない なにもない」とネタにしたりされたりします( ・д・)♪

(ちなみに地元民ことジモティーは「にしもにゃ」っていいます。羽後町内の他地区の人は西馬音内の人を「まちのひとと言ったりします。)

Photo_4晴れの日は秋田富士、鳥海山も見えるよ。

そんなにしもないですが。
語源をたどってみると、アイヌ語に行きつくそうです。

主流な説として、
元々の語を「ニシ モ ナイ」とする説と、「ニシ マ オンナイ」とする説に分かれます。


ニシモナイの場合    ニシ(雲) モ(小さな) ナイ(流れ・谷)

ニシマオンナイの場合 ニシ(雲) マ(~して) オンナイ(扇状地のような地形)


他にもニシを崖とする説が存在したり、大本のアイヌ語の意味について諸説あったりと定説はありませんが、おおよその意味として「雲の湧く谷」という意味合いになるようです。


なんで雲?とお思いかもしれません。

個人的な見解ですが…
この西馬音内一帯は盆地なので晴れの日の前夜から朝にかけて深い霧が立ち込めるんですよ。

そう、まるで雲が湧いていると形容したくなるほどの、深い深い霧が…。

その雲海のような光景を目の当たりにしてから、私はそういうことなのかな?と思うようになりました。
あまりに見とれて画像を撮り忘れてしまいました。すみません。(´・ω・`)


ちなみに雄勝(おがち)は、水源をさす「かっち」という言葉に「おお」をつけて、「おおかっち」 つまりは大きな水源。

雄物川の支流となっている西馬音内。
水に恵まれた地には、多くの命が育まれます。

雲の湧く谷・西馬音内の盆踊りは、
送り盆だけではなく豊年祈願の行事でもあるんですよhappy01



Q.彦三頭巾ってなに?

西馬音内という地名、そしてこの踊り衣装。
Photo Photo_2

もう違和感の連続ですよね。

ちっちゃい頃、頭巾を見て大泣きした記憶があります。

この頭巾は「彦三頭巾(ひこさ ずきん)」と言います。

由来ははっきりとしていませんが、

・秋田県由利地方や山形県庄内地方の農作業時に使う日よけの黒布に由来するとする説。

・明治初期に東京の歌舞伎を見た町の有力者が、歌舞伎の舞台に出てくる黒子から着想した。その時の役者の名前 阪東彦三郎(ばんどう ひこさぶろう)にちなんだという説。

などがあります。

黒布で顔をすっぽり覆い隠した異様な雰囲気は、亡者の姿先祖の霊を連想させます。彦三頭巾には藍染めの浴衣をあわせ、端縫いは合わせません。
Photo_5ちょっと不気味な魅力。

ちなみに端縫いの人が着けている笠は「鳥追い笠」と言います。

これは、農作業時に田畑で害鳥を追うための笠にちなんでいるといわれています。
この鳥追い笠には藍染めと端縫い、どちらを合わせても大丈夫です。


盆踊りの衣装にもしっかりと意味があり

彦三頭巾…祖霊を弔う送り盆としての姿をうつすもの

鳥追い笠…実りを願う豊穣祈願としての姿をうつすもの

と言われています。



Q.端縫いは端縫いではない。しかも少数派だったって本当?

はい、本当です。

どういうこと!?となりそうなので、ひとつひとつ解説していきます。

今でこそ「端縫い(はぬい)」と呼ばれるこの衣装ですが、
地元のコアな踊り手さんはこれを「端縫い」とは呼びません。

本当は「接ぎ衣装(はぎいしょう)」と言います。

(詳しくは羽後町の染織家 縄野三女さんの記事をご一読ください。)

端縫い衣装は、もはや西馬音内盆踊りの象徴的存在。
今日では踊り手の大半が端縫いを纏っている印象を受けます。

しかし、

もともと端縫いは少数派でした。

Photo_3


あんなに人気があるのになぜ?、とお思いになるでしょう。

そのとおり。
誰もが憧れるような踊り衣装だったからこそ、少数派だったのです。


他地域の行事・祭りを見ると、性別や既婚未婚で衣装を分けるところが多いようですが、
西馬音内盆踊りの場合は、踊りの熟練度によるもの。

端縫い(接ぎ衣装)は、上手な人しか着られない。

西馬音内っ子であれば、踊りに携わらずとも一度は耳にする言葉です。


未熟ながらに端縫いを着るのは、恥とされていました。

端縫いに袖を通せるのは、長年の経験者。
まず大人になって、さらに師とする人間に認められたら
といった感じです。


端縫いを着るようになってからも、
前半二日間は藍染めなどで踊り、最終日まで端縫いをとっておくという方もたくさんいらっしゃいます。

西馬音内の踊り手にとって、端縫いは一人前の証のようなもの。

それだけ思い入れの深いものなのです。

このようなこころの伝承があったため、おのずと端縫いは少数派を保ってきました。


では、なぜ端縫いが増えたのか。

それにはたくさんの要因があると思います。

町内の後継者が減り、町外の踊り手さんが一気に増えたこと。こころの伝承がうまくいっていないこと…。さまざまです。

ただ、町外の方の中にも事実として、
地元の方以上に盆踊りを愛し、尊重してくださっている方もいらっしゃいます。
その熱意に感心させられることも多々ありました。

ですので、一概には申し上げられません。

西馬音内盆踊りは、参加型のまつりではなく地元の行事な以上、

地元の人間として、西馬音内のルールをしっかりと伝えること。

参加する側として、西馬音内のルールをしっかり理解して踊ること。

この二つのバランスが重要なのだと気付かされました。



Q.西馬音内盆踊りはまつりじゃないの?

西馬音内盆踊りは、まつりではなく、送り盆の行事といわれています

この大前提がわかれば、西馬音内盆踊りがじわじわとわかってくると思います。

まつりとは、突き詰めれば神様をまつるもの。

近年のまつりは観光化の波もあり、参加に対してもオープンだったりします。


対照的に西馬音内盆踊りは、先祖の霊を迎え、弔うための行事。

大本の大本までたどれば、町の人たちの間でひっそりと行われてきた、
小さな町の小さな行事なんです。



飛び入り参加禁止なのも、まつりの屋台がほとんどないのも、
決して観光向きではないまちなみも、交通網も…

ほとんどのことが、この事実ひとつで説明がついてしまいます。
しかし、それだけでは済まされない状況になっているのもまた事実です。

西馬音内盆踊りの観光化。

これに関しては、非常に繊細で難しい問題ばかりだと思います。


ただ、私はこの流れのおかげで、この町と盆踊りの素晴らしさを再認識できたような気もしています。

西馬音内盆踊りを心から尊敬し、「地元の踊りをしっかりマスターするのが礼儀」と、月例の練習会に足しげく通われている町外の踊り手さん。

不便の多いこの町に理解を示し、多くを求めず、そこにある盆踊りを楽しんでくださるお客様。

他にも素晴らしい観光地があるにもかかわらず、この地で過ごす夏を選んでくださったみなさま。

たくさんのお客様から、この町の素晴らしさを教えていただいた思いです。



明日より3日間、西馬音内で一番あつい日々が幕を開けます。

なにもないまちだからこそ、強く受け継がれてきたこころがあります。

そのかたちを、まちの人々の想いを、ひとつでも感じていっていただければと思います。


西馬音内旅なび最終回。

ついついあつくなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

今年も囃子のやぐらで笛を吹きながら、
みなさまの無事のお越しを心よりお待ちしております。


西馬音内っ子、おゆきでした。

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コメント

西馬音内盆踊りについて熱い記事を掲載されていましたので、楽しく拝見しました。

私は町外の者ですが盆踊りには毎年行かせていただいています。師匠についてから十数年になり「接ぎ衣装を着て踊ってもいいのよ」と言われ師匠からも接ぎ衣装を頂戴しましたが、まだまだ未熟ゆえなかなか着ることができません。
町外の者が言うのも何ですが、踊りが未熟なのに接ぎ衣装を着て、「とんとんとん、かんかんかん」も知らず、踊りの輪に加わるときの礼儀もなく、囃子方に感謝もせず、何より先祖供養や地域に対する心のない踊り子が多いのにとてもがっかりします。接ぎ衣装を着ることに踏み切れないのはそんな人達と一緒に見られたくないという思いもあります。

偉そうに書きましたが、師匠が言葉では伝えきれない西馬音内の人たちが守ってきたもの、伝えていきたいものをくみ取り、「町外から参加させてもらう」からには西馬音内の人たち以上に大切にしていかなければならないと思います。
無形の文化財だからこそ、今伝承している人たちがしっかりさねばでぎねなだ!

おっと、熱くなってしまいました。

今回の西馬音内盆踊りの記事、楽しかったです。こういう踏み込んだものもいいですね。

*いぶりがっこさん*
コメントありがとうございます(o^-^o)
やりすぎたかと少しびくびくしておりました(笑)が、熱い想いをお寄せいただき嬉しいですconfident

私自身、盆踊りにさまざまなかたちで携わってきた中で、町外の踊り手さんとお話する機会が何度かありました。
最初はそれこそ掟破りな方々の印象が先立っていましたが、実際にお会いしてきた方々は、いぶりがっこさんのようにとても謙虚な考えをお持ちの方ばかりでした。
その真摯さは町内の人を超えるものを感じさせられることも多々あり、ひとえに「町外の踊り手さん」と括って考えていた自分の非礼を反省しました。

地元にも課題はあると思います。
町外からの参加者に対し、明確なスタンスをとってこなかったこと。
急に訪れた変化にどうしていいかわからなかったのもあると思いますが、それが掟破りの踊り手さんの参加を許してしまった一因でもあると思います。

かたちはさまざまですが、おっしゃる通り本当に礼の心、互いを思いやる心ひとつだと思います。

私自身まだまだ未熟ではありますが、地元の人間として先立って受け継ぎ、しっかりと伝えていくこと。
これが今の目標であり、町外の後継者さんへの自分なりの礼の尽くし方だと思っています。
今後もともに、西馬音内のこころをお伝えしていただければ幸いです。

私も熱くなってしまいました。(笑)

また西馬音内の記事も書いていきますので、どうぞごひいきにお願い致しますhappy01

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